music dance poetry arts and philosophy
学園坂出版局よりお知らせ
・映画監督・坂上香さんの講演会「対話するってどういうこと?」を開催します。(8/22更新)
・ユリコさんのエッセイ風論考「家族について考える」6を公開しました。(11/21更新)
・2023年12月1日、小笠原もずくバンドライブを開催します。(11/11更新)
・2022年9月10日『生かされる場所』のCD発売記念ライブが開催されます。詳細はこちらをご覧ください。(8/5更新)
・「思想ゼミ」宇野邦一さんの連続講座を「器官なき身体と芸術」vol.15(2022年2月)でいったん終了します。アーカイブ視聴のお申し込みは受付中です。(3/13更新)
ブラックカルチャー研究
Black
culture
today
開講にあたって
マイケル・ジャクソンやプリンスは聞いたことがあっても、サン・ハウスやロバート・ジョンソンなどのデルタ・ブルースなどはあまり耳にすることがありません。ヒップホップやR&B、ソウル、ジャズなどのモダンな音楽は一定の人気がありますが、その歴史や背景などについて考える機会は、少なくとも学校の音楽の授業ではほとんどないと言っていいでしょう。ブラックミュージックというカテゴリーは西欧のクラシック音楽とは異なり、どこかフォーマルでない位置づけであり、いわゆるサブカルチャー的な扱いを受けているような印象があります。
本講では、アメリカ黒人の自己表現法の生成と構築を検証することにより、「人種」を根拠にふるわれてきた暴力と、それに抵抗するサヴァイヴァーの創造的知性を理解することを目指します。黒人音楽に特徴的なパフォーマンスの構成“Call and Response”(呼びかけと応答)に倣いつつ、「音楽」と「文学」がちょうど「呼びかけ」と「応答」のかたちで示すようなテーマを年代順に探究します。それを通し、エスニック・マイノリティが育んだ芸術表現の豊穣を学ぶのが、この講座の究極のねらいです。新田啓子
あるいはブラックミュージックには親しんでいるけれど、黒人文学となると? スティーヴィー・ワンダーやジェームズ・ブラウンほどには知られていないというのが現状でしょう。音楽と違い、文学は翻訳が必要になってくるので無理もないことなのかもしれませんが、だからといって何も知らないのも寂しいものです。トニ・モリスンやアリス・ウォーカーら女性たちの文学はもちろん、ラングストン・ヒューズやゾラ・ニール・ハーストンなどの古典も見逃すことのできない大きな存在でしょう。
ブラックカルチャー入門 概要
月1回 不定期 19時半〜21時半
(会場の都合等で予定が変動することがありますのでその都度スケジュールをご確認ください)
参加費(1回)2000円
定員 15名程度
場所:学園坂スタジオ
お待たせいたしました。初回講義、2018年1/25(木)19時半〜開講になります。本日よりお申し込み受付を再開します。(12/26)
2018年1月より開講予定です。日程に関しましては今しばらくお待ちください。(12/2)
都合により、初回9/29及び10/27は休講となります。今後のスケジュールに関しましては追ってリリースいたします。申し訳ありません。(9/15)
この講座では、主にアフリカン・アメリカンの文学や音楽について学びながら、彼らの生き様や芸術運動のあり方、黒人に対する差別や抑圧の歴史までを複眼的・多角的に捉えていきます。南北戦争の歴史を有するアメリカ合衆国は、いまなお、そのパラダイムから脱したとは言えません。ネイティヴ・アメリカン(=インディアン)をも含めて考えれば、その事情はいっそう複雑でしょう。オバマからトランプに交代したアメリカがいったいどこへ行こうとしているのか。世界的な右傾化はどこに行き着くのか。そのような問いかけもまた、この講座のモチベーションの一つでもあります。
2017年度は「入門編」とし、ブラックカルチャーに親しんでいない人に向けた、気軽に受講できる内容となります。また18年度以降はさらに突っ込んだ内容になっていく予定です。ブラックカルチャーのみならず、越境的な表現・マイノリティや周縁に属するような文化などに関心をお持ちの方など、幅広く受講者の募集をいたします。世代や年齢は問わず、黒人たちの文学や音楽を一緒に楽しみましょう。(港大尋)
Call
and
Response
新田啓子 NITTA Keiko
訳書にトリーシャ・ローズ『ブラック・ノイズ』 G.C.スピヴァック『スピヴァック、日本で語る』(共訳) ほか
1967年東京生まれ。立教大学教授。ウィスコンシン大学マディソン校大学院博士課程修了。専攻はアメリカ文学、文化理論。著書に『アメリカ文学のカルトグラフィ 批評による認知地図の試み』。共著書に『アメリカ研究の越境1 アメリカの文明と自画像』『現代批評理論のすべて』『ジェンダー研究のフロンティア5 欲望・暴力のレジーム』。